ミュージカル「犬との約束」〜2幕M20からM27まで〜 - どこまでも上へ昇り大きく広がりますよう

センターにポツンと残されたメアリー。下手から「母さん！」とジョージを連れて登場する織山ダニエル。織山ダニエルが、ラムのことで相談に乗ってもらっているジョージをメアリーに紹介する。ジョージが弁護士であることと、ラムの相手が悪すぎることに頭を抱えるメアリー。織山ダニエルが「母さん、犯人分かったの！？」とメアリーに少し近づいて聞いて、ラムを殺したのは“マクレガー”だと分かると「マクレガーさんが…！？」と少し後ずり「そんな…マクレガーさんがラムを…！」と頭を抱える。

きっとマクレガーは今シガークラブにいるから今から向かうとジョージが言って下手へ捌けるので、織山ダニエルも「ジョージ…！」と言って走って後を追いかける。（下手へ捌ける）

暗転し、センターに残されたメアリーにだけ白のスポットライトが当たる。真っ直ぐ前を数秒見つめた後に、上手へ捌ける。

ここのシーンの最後にメアリーで余韻を残すのが。メアリーのマクレガーに対して思っていることと、ダニエルが行動を起こし始めていることに対して思っていることと。それが全て表情に表れている気がして。メアリーはいつも1人で悩みを抱えて生きてきたけど、またこの時も1人で大きなことを抱えて悩み苦しむのだろうなと。

2幕 M21 利害関係

M21「利害関係」のイントロでセンターから裁判長、マクレガー、アレックスが登場。歌い出しは裁判長。裁判長がマクレガーへ、美術館や鉄道を造る件はどうなっているのかとやや怒りながら聞く。

マクレガーが言い訳をすると、「余計な詮索はしなくていい♩」「滅多なことを言うものじゃない♩」と怒ってる裁判長。

その間マクレガーはそっぽ向いてるのだけど、裁判長が「Mr.マクレガー♩」と名前を呼ぶと、キリッと前を向き直すマクレガー。（シーンとしては裁判長の方を向いてる）

「これ以上話はない♩」と歌い終わると、裁判長は下手へ捌ける。

2幕 M22 人の本質

裁判長が下手へ捌けた後、すぐM22「人の本質」へ。歌い出しはマクレガー。

人は利害関係でしか繋がれない。この世は“利害” と “欲”で動くもの。人はどこまでも愚かな生き物。というマクレガーの考え。

強く歌ってるけど、これはマクレガーの嘆きでもあるような気がして。

そんなマクレガーの想いを聞いて、アレックスは「信じてください　わたしの忠誠心を　わたしの人間性を見てください♩」とマクレガーに訴える。アレックスはマクレガーに助けられて生きてきた人なので、マクレガーに対しては従順で。

最後はマクレガーとアレックスのユニゾン。2人の想いが交差する。

M22「人の本質」の後、真ん中奥からケイトが登場し、シーンはシガークラブへ。

シガークラブ

ケイトが、ジョージを助けてほしいとマクレガーにお願いするとちょっと怒るマクレガー。その後、真ん中奥からジョージとダニエルが登場。

ダニエルとジョージは下手へ。ダニエルはアレックスの前を通る時、頭を軽く下げてる。

ジョージが、マクレガーが殺人をしたと多くのお客さんがいる中で大声で言うと、周りのお客さんたちがザワザワし始める。（周りのお客さんの声は、センター奥袖に待機してる村人役さん達が務めてる）

周りのお客さんの声におどおどしている織山ダニエルは、両手できゅっとズボンを掴んだりベルト部分さわさわしたり（ベルトしてないけど）サスペンダー通り越して脇腹からシャツを出そうとしたり、ジョージに話しかけたくても躊躇したり、落ち着いてない。

ダニエルが失った家族を「人」だと思っていたジョージは、実際「犬」であったことを知り焦り慌てて恥ずかしそうな表情をし始める。アレックスの犬の物真似とマクレガーの言葉には嫌味に溢れてた。

マクレガーが犬を馬鹿にするところでは、マクレガーを睨む織山ダニエル。

恥ずかしさに耐えきれなくなったジョージは、走ってセンター奥へ捌ける。そんなジョージの姿を見た織山ダニエルは「ジョージ…！」と言いながら走って追いかける。（センター奥捌け）

マクレガーは、ケイトに目を覚ませと言った後シガークラブを去る。（アレックスも後を追う）ケイトは「ジョージ…」と呟いてセンター奥に捌ける。

2幕 M23 偏見

下手からジョージが走ってきて登場。後を追うようにダニエルも「ジョージ！！！ジョージ！」と走ってきて登場。M23「偏見」のイントロがかかる。

ジョージはセンター、ダニエルは下手。ジョージが「わざとあんな真似を…！」と言うと織山ダニエルは「どういう意味？」と答える。

歌い出しはジョージ。照明は暗め。ジョージとダニエルの掛け合いデュエット。ジョージは、ダニエルが亡くした大切な家族を“犬”であったことを隠されて恥をかいたと、ダニエルを責める。

織山ダニエルは「犬だと何だと言うの？犬だから何が違うの？♩」ととても純粋な目。最後の「の〜♩」を伸ばすのが綺麗。前半公演は、「の…♩」になってて、回数重ねるたびに歌い方を変えてきた織山くんすごかった。

ジョージが、自分のことを笑い者にしたいのかとまたダニエルを責める。織山ダニエルは「あなたなら　僕をラムを助けてくれるかと♩」とジョージの背中を見ながら答える。最後の「と〜♩」も長くて綺麗。

次のジョージの歌台詞でジョージは下手は移動。織山ダニエルはセンターへ移動。ジョージに「お前に大恥をかかされた♩」と言われた時の織山ダニエルは、目線をやや下に下げて悲しそうにする（後退りする日もあった）けど「たかが犬のために♩」と言われると、顔を上げてキリッと表情を変える。その言葉だけは聞き捨てならない！ゆるさない！の表情。怒りと悔しさが混じって織山ダニエルは「取り消せ　取り消してよ　たかが犬だなんて…♩」と歌う。「取り消せ　取り消してよ」は強めに。「取り消してよ…」と弱々しい日もあったけど、基本強め。4/19昼は「取り消っ…してよ」と詰まらせていたのだけど、もしかしてわざと詰まらせたのかと思ったくらいにセリフを吐き捨てるかのように歌ってた。

「犬だから殺されてもいい？怒るのは馬鹿らしい？たかが犬　たかが犬だって？♩」の「犬だから！！」は強め。「〜たかが犬だって？」をピークに徐々に声が大きくなる。すごくない？怒りが沸々沸いてきてる感じ。すごい。

「正義の味方？とんでもない！仕事だけの偽善者だ♩」は息継ぎする暇もないくらい言葉が並んでいるのだけど、うまく歌い上げていて。「偽善者」がしっかり聴こえるように滑舌良く歌ってたのすごかった。

ジョージがまたひとつ歌い返すと、織山ダニエルは「そう　あなたも分かっていた　僕がどれだけ辛いかを…♩」と歌うのだけど、後半公演になるにつれ最後の「を…♩」が小さめに。スカーフをぎゅっとする日も。「を」を伸ばさずに思い切り空気吸って次に繋げていた。

「あのまま僕はラムの元へ行きたかった♩」は斜め上見て、右手を斜め上に上げたり、右手を斜め上に上げて自分の胸に引き寄せたり、右手斜め上に上げて下に下げて前に伸ばしたり様々。

「あのまま」っていうのがね〜〜〜。1幕のM18「受け入れられない」で、織山ダニエルがメアリーの横で床に崩れ落ちて頭を床に叩きつける前に、自分の首を絞めていた時があって。（4/30昼）きっとM17-18のラムを亡くしたばかりの織山ダニエルは、何度もラムの後を追おうとしたのだろうなあと思ったりして。だから「あのまま僕はラムの元へ行きたかった」に繋がるのかと。きっとこの歌詞があったから、首絞めるお芝居も入れたのかななんて。（その時のダニエルの心情的に、生きるのが辛い、もう何のために生きるのか、もあっだろうけど）

「そんな僕を助けてくれたんじゃなかったの？♩」の最後の「の〜♩」はすごく長く。両手を前に出して軽く訴える感じ。ジョージがまた反論すると、織山ダニエルは「あなたは本当は裁判で勝ちたかっただけ♩」とジョージを見て歌う。ここの終盤音程が1音。

「僕を助けたいんじゃなく　マクレガーを打ち負かしたかっただけ♩」の「マクレガー」の「マ」が強い！「そうでしょ　本当に助けたいなら　なぜそんなことを言うの…？♩」の「なぜそんなことを言うの…」は少し弱々しく。泣きながら歌う日も。

「唯一の友が　家族が　撃たれたという事実は変わらないのに♩」の「唯一の」から力強い。最後の「〜いのに♩」の音程がものすごく低くて。そんな音程まで声出るの…！と驚いた。

ジョージに「犬ではダメだ　そんなことすら分からないのか♩」と言われ、俯いたり、悔しそうな表情をしたり自分の足を叩いたり。

ここから楽器の音が変わるの、注目のセリフ感。織山ダニエルが「僕の心を助けたいと思うなら　ラムのことを差別しないで♩」と切実な願いを歌う。「で〜♩」はとても長く。

「法律のことは分からない　でも友を撃たれたんだ♩」の「分からない」の「わ」を強調していのは、その1字前の「は」と区別するためだよね。とても聴きやすかった。

「ラムを殺され　法という名にされ　僕の心は2度引き裂かれた♩」の「2度引き裂かれた」でお腹の前で両手広げたり、目の前に掌向けた後拳に変えたり。悔しそうで悲しそうな表情。

「あなたは何のために　弁護士に…♩」の「弁護士に♩」は控えめに歌ったり、力強く歌ってジョージから目を離さなかったり、ジョージの目を見た後そらしたり、ジョージの目を一切見ずに下を向いたままだったり、ジョージに背を向けたままだったり。様々！今日はどんな風に歌い上げるかなって楽しみだったところのひとつ。

歌い上げた後は下手に向かって走り去る織山ダニエル。

織山ダニエルが去った後、最後放った織山ダニエルの言葉が響いたのか、自分の正義はどこに行ってしまったのだろうと自分を振り返り始まるジョージ。ここでやっとジョージは、目の前で傷ついた少年よりも自分のことしか考えていなかったことに気付くんですね。ジョージさんおそいです。（ダニエルモンペ）

最後歌い上げたジョージは上手捌け。

M23「偏見」好きすぎた！！！！！！！！ダニエルとジョージの掛け合い。

歌なのに、相手に話しかけるように、言い合っているように聴こえるから感情こもった台詞そのもので。歌に乗せるとより一層感情が伝わってくるなんて、すごい。

ダニエルの真っ直ぐなラムへの愛。争い事を好まず普段から平和主義で目立つのが得意ではないダニエルが「たかが犬」と言われた時に出る怒りの感情。悔しい表情。ジョージに何度も反論してラムを守るダニエルの姿はかっこよくて。でも言葉は優しくて。

歌台詞の量が多いし、音のテンポが早いけど台詞が聴き取りやすくて滑舌も良くて。織山くんが元から歌が上手いのもあるかもしれないけれど、お稽古で重ねた努力が実ってるなってすごいな〜〜って。

2幕 M24 街中話題の裁判

M20「目撃」と同じイントロが流れ、下手上手センター奥から村人たちが登場。

シガークラブであった出来事によりジョージが街中の笑い者になり、マクレガーが犬を殺した罪で裁判が開かれることが街中の注目になっているらしい。

「注目の裁判今始まる♩」でシーンは裁判へ。

ボブとルーシーは下手の段差（マクレガー側）、キャシーとトーマスとバーバラは上手の段差（ダニエル側）に座る。

センター奥から裁判長登場。下手からアレックス、マクレガーが登場。上手からジョージ、スーザン、ダニエルが登場。マクレガーとダニエルは目を合わせた後に段差に座る。ダニエルはスーザンの隣にちょこんと座る。メアリーとケイトはいない。

裁判長が「ダニエル・ベーカーによる…」というから、ダニエルの苗字が“ベーカー”であることを知る。

裁判前にジョージが裁判長に「マクレガーの立場関係なく正当にご判断頂きたい」と言い、頭にきた裁判長が歌い出す。裁判前の歌と同じ曲調なので、おそらくM24「街中話題の裁判」の続き。織山ダニエルはジョージを見て不安そう。耳を逸らしたくなる表情で下を向いたり横を向いたり。自分のスカーフを掴んで緩めている日もあって、あれはかっこ良すぎたな。（4/30夜）

1回目のこの裁判は、全て歌で進んで行く。

マクレガーがこの裁判を「茶番だ」と歌うと、裁判長が「慎むように」とマクレガーに言い、謝るマクレガー。

ジョージが「証人」として連れてきたのはバーバラ。裁判長の「証人は前へ♩」で前に出てくるバーバラ。4/23だけ、「証人はここへ〜♩」になってた。バーバラが前に出る時、織山ダニエルと目を合わせる。

バーバラは最初は力強く、マクレガーがラムを銃殺したという目撃情報を歌い上げるのだけど、アレックスに問い詰められると、バーバラは弱々しくなってしまいアレックスに反抗できずに席に戻ってしまう。織山ダニエルは肩落として落ち込んでる。両手でズボンぎゅっとしてる。

裁判長の「これ以上の審議は無用　訴えは棄却とする♩」で、マクレガーとアレックスは捌ける。

曲調は裁判前の曲に戻り、村人たち（語り手になってる）が状況を歌う。織山ダニエルはそっと立ち上がって段差を降り、ジョージの元へ行こうとするも、ジョージと目を合わせずに顔をそらして上手へ捌ける。ジョージと目がばちっと合って、気まずそうな表情で斜め下を向いてから捌けて行った日も。

暗転して全員捌ける。

裁判中はずっと上手の段差に座っているから、こんな長い時間織山くんが静止した状態で織山くんを見るのは初めてで。改めて横顔最高〜〜と思いながら見てた。（やめなよ）手の甲も腕もずっとずっとかっこよかった〜〜〜〜

1回目の裁判中は一言もセリフがないのだけど、表情と仕草で今ダニエルが思っていることが伝わってきたから本当にすごかったなあ……

2幕 M25 愛さえあればは幻想

センター奥からケイトが赤い本を読みながら登場。マクレガーも続いて下手から登場。

歌い出しはマクレガー。優秀な弁護士と一緒になることがケイトのためで、ケイトの幸せを考えていたら生活のためにお金を稼ぐだろうし理想より現実を求めるだろうと歌うマクレガー。遠回しでジョージを批判している。貧しさを知らないから、ケイトは綺麗事を言えるのだとケイトに歌い伝えるマクレガー。

歌い終わった後、ケイトが「パパはママを幸せにできたの！？ママはいつも泣いてばかり！」と言うと、マクレガーはケイトをビンタしてしまう。ケイトは左頬を押さえたまま、上手へ捌ける。マクレガーはケイトを追いかけようと2,3歩進むも立ち止まる。

2幕 M26 ママの涙

センター奥からケイトが頬を押さえたまま登場。泣いてる。アレックスが続いて登場。おそらく舞台上の下手2/3がケイトの部屋、舞台上の上手1/3がリビング（マクレガーがいる）

曲調は、M19「僕に話して」のケイトが歌ってる部分と同じ。歌い出しはケイト。ママが寂しそうだった過去を歌うケイトと、マクレガーのケイトへの愛について歌うアレックス。施設で育ったアレックスは、マクレガーに感謝と尊敬があるから&マクレガーのことをよく見てきているからマクレガーの気持ちが分かるアレックス。

ふたりの歌声に体震え上がった。凄すぎて。

上手にはマクレガー。上手には白のスポットライトがマクレガーだけに当たっていて、ケイトの頬を叩いてしまったことを後悔している様子。叩いてしまった手を、もう片方の手でおさえてる。もう奥さんはいないのだけど結婚指輪はしたままのマクレガー。ごつい指輪を3個つけてた。マクレガーは、ケイトとアレックスの歌の途中でゆっくり上手へ捌けていく。

M26「ママの涙」の後。アレックスは「あなたを真剣にお慕えしております！」「あなたを幸せにすることだけを考えます」とケイトへ告白すると「わたしジョージを…」とケイトが答え、「伝えたかっただけです…」とアレックスが言うと軽く頷いてセンター奥へ捌けていくケイト。

「人は愚かで愛おしい　その矛盾を抱えて生きる　親子だろうと恋人だろうと　簡単に答えなど出ないのだから♩」とアレックスがソロで歌い切ると、大拍手！（後半公演から）上手へ捌ける。本当にすごかったワ………

2幕 M27 恩知らずの薄情者

下手からボブとルーシーの夫婦が登場。2人とも喧嘩している様子。

ボブとルーシーは夫婦であり家族だから、ルーシーの親はボブにとっても家族だと思うけれど、ボブはルーシーの親の面倒を見れないと言う。

歌い出しはルーシー。ボブの「君のことは愛しているさ　でも君の親まで愛せというのか　所詮は他人だろ♩」「愛に満ちた我が家に死の影を招きたくない♩」の気持ちが冷たい。奥さんに対して言っていい言葉ではない。そんなボブに対してルーシーは「あなたのこと心から愛していた♩」と過去形になる。ルーシーの怒りとボブの嘆きが交差。

「愛の形は一瞬にして　変わるものなの♩」とルーシーが力強くボブの方を見て歌い上げて、下手へ捌ける。続いてボブも捌ける。

ラムの件には関係ないシーンだけれど、ダニエルとラムの愛だけではなく、このシーンやマクレガーとケイトのシーンも含めて全体的に多様な家族愛を伝えている気がした。

本日はここまで。次はM28「自分らしく」から書きます。

サマステ期間中に、まだ犬との約束書いてるの？って笑ったし笑われたけれど（笑）ついに次で終わってしまうなあという寂しさもあるよ〜だに〜ちゃん〜（めちゃ遅）

天城くんといい、だに〜ちゃんといい、さますてなおくんといい、頭がこんがらがりそうです。

ついにドリボ初日まで10日を切っていて！はやい！日々通し稽古お疲れ様です。その前に少年収の織山くんがたのしみですね🪄

長くなりましたが、お付き合い頂きありがとうございました。

今日もいいユメ見れますよう

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